- Vol.19 ワロロット市場2009/02/24
1910年、時の王族によって造られ、チェンマイ市内で最も大きなショッピングセンターとなったワロロット市場。

3階建ての本館は訪れた観光客が圧倒されてしまう程の商品数で、食材・惣菜・お菓子・果物・花・衣類・雑貨・・・とにかく何でも揃います。この本館の周辺 には週末に山岳民族の手工芸品や古布を販売する市場ができ、生地屋等の卸屋も多く点在する為、世界各国から生地を買い付けに来る人の姿も多く見受けられま す。バーンロムサイの縫製場で作っている商品の生地や古布等も、週1~2回ここへ買い出しに行きます。今回はそんなワロロット市場にあるお店、そこで働く チェンマイの人達を紹介します。

まず、バーンロムサイスタッフがワロロットで食事をする時、ほとんどと言っていい程利用する屋台があります。お昼時には人でいっぱいにある小さな路地に、 ガイヤーン(焼き鳥)屋やソムタム(パパイヤサラダ)屋、ジュース屋などが並んでいます。そこのひとつ、私たちが「大根餅」と呼んでいるその料理。もやし と韮、そして大根餅を炒めたものに甘辛いソースをかけて食べるだけの至ってシンプルなこの料理。たったの20バーツで、とにかく美味しい!ふたりの女性が やっているこのお店は、お昼時にはちょっとした行列ができるほど地元の人にも人気の屋台です。その隣にあるソムタム屋、近くにあるドリンク屋さんとの連携 もぴったりで、私たちに限らず地元の人にとっても居心地の良い食事処になっています。

そして暑い時期に決まって食べたくなるのがココナッツアイス。ココナッツのスライスが入ったシャーベットは1つ10バーツ。いつも決まった場所にいるおば ちゃんはワロロットでは有名で、すれ違う多くの人達が手に持っている日もよく見られます。冷たいシャーベットと、ココナッツの程良い甘さは暑い時に食べる と格別!10バーツで得られる幸せはかなりのものです!他にも鈴の音を鳴らしながら歩くアイス屋さんが至る所にいます。

いつも多くの人が集まっているワロロット市場ですが、さすがに1日歩くとへとへと。飲み物屋さんにもイスやテーブルがないところが多く、買って歩きながら 飲んでいる人がほとんど。そんな中で私たちが最近見つけて必ず立ち寄っているのがテーブルとイスがある飲み物屋台です。人が行き来する道からは少し離れた 角にあるその屋台はコーヒー、紅茶、フルーツジュース等、一通りの飲み物があり、大きい割には値段も安い!しかも、小さなテーブルとイスがあるのでちょっ とした休憩には最適の場所なのです。屋台の後ろには家族で営むアクセサリー屋もあります。そこのお母さんの人の良さは格別で、孫の自慢や世間話・・・いつ も気さくに話しかけてくれ、帰り際の「コップンカー(ありがとう)」の笑顔は見るだけで心があったかくなります。

この屋台同様、ワロロットには家族で営んでいるお店がたくさんあります。
バーンロムサイの商品の中でバーンロムサイロゴマークを刺繍した小物や タイパンツがあるのですが、その刺繍を頼んでいる刺繍屋もここワロロットにあります。少し強面の若いお兄さんのお店なのですが、せっかくお店に行っても シャッターが閉まっていることが少なくありません。そんな時、隣のお店のおじさんに「今日はいつ開くの?」と決まって尋ねていたのですが、いつもただのご 近所だと思って尋ねていた隣のご主人と言うのは、実は刺繍屋店主のお父さんだったことが判明。そして、そのお店の路地の角でいつもジュースを売っているお 姉さんが、店主の奥さんだったことも判明。お兄さんにうりふたつの息子と娘、そして奥さんと4人で仲良くバイクに乗る姿を見て、その一角の家族経営が明ら かになったのでした。何度も足を運んではお店が閉まっている・・の繰り返しだったせいか、今となっては、刺繍屋に用事のない日でもそのお店の前を通ると 「まだ寝てるよ」「今日は開いてるよ!」とニコニコしながらお父さんが息子の様子を教えてくれるようになりました。
家族経営と言えば、もうひとつ。いつも煌びやかな洋服と宝石、完璧なメイクの中国系のお母さんのお店。生地はもちろん、アクセサリー用のビーズ、バッグの 取っ手、スカーフ・・・さまざまな物が手に入り、いつもお客さんで溢れています。ただここの難点は待ち時間。生地を探してもらうまで、生地を届けてもらう まで、お会計をするまで・・・店主のお母さんのデスクの周りにはいつも人だかり。それもそのはず、お母さんは固定電話を左手に、携帯電話を右手に持ち、1 度に2本の電話を受けるほど大忙し。だからと言って焦ることも全く無く常に彼女のペースは崩れません。その間に待っている客同士で話が弾んだり、時にはお 菓子やとうもろこしをみんなで食べたり。普通なら待っている時間が長ければ長い程イライラとしがちですが、ここではその逆で長ければ長い程みんながリラッ クス。あまりにもくつろいでいて時々店員なのかお客さんなのかがわからないこともあるくらいです。時間に急かされる事がなく常にマイペースな、なんとも チェンマイらしい空間かもしれません。
そして、このお店の隣は彼女の娘のお店。娘は何かわからないことがあると、隣のお母さんに電話で確認。今は まだ情報や知識はやはりお母さんが頼りの様です。時々マイペースすぎる部分もある彼女ですが、固定電話と携帯電話、そして若いだけあってパソコンも操作し ながら忙しそうにしている姿は、未来のお母さんに通じるものがあります。この先、この娘の成長も楽しみ!
今回ご紹介したお店以外にも見どころは満載です。ワロロットに行くとどこか懐かしく、そこにいる人達はみんな親切。どこかで以前会った事があったかな?と 思う事があるほど、チェンマイの人たちは自然に当たり前の様に挨拶をし、声を掛け、笑い掛けてくれます。そんな素直な優しさに思わず心があったかくなれる 場所。若い子から年配の方まで、とにかくみんなが大きな家族の様な場所です。チェンマイにいらした時にはぜひ、ワロロット市場を訪れてみてはいかがでしょ うか。人柄、雰囲気、料理、お菓子・・・「タイ」という国、そして「チェンマイの人」を感じるにはぴったりの場所です。
2009/02
バーンロムサイ ボランティア・スタッフ 中出 絵里






