- Vol.16 タイのラッキーカラー2008/08/24
初めまして。バーンロムサイボランティアスタッフの小宮です。どうぞよろしくお願いします。バーンロムサイではゲストハウスも運営しているのですが、この 夏休み期間中、おかげさまで日本からたくさんのお客様にいらしていただきました。その中でお客様からは「今年の夏はものすごい暑さ」との声をよく聞きまし た。このコラムが掲載される頃には、うだるような暑さがひと段落していることを願います。
さてある日、とあるお客様からこんな質問を受けました。「なぜタイ人はみんな黄色の服を着ているの?」と。そのお客様はチェンマイ市街地へ出かけられた際 に、街にいるタイ人がそろいもそろって黄色いシャツを着ているのを見て、不思議に思われたそうです。そして市街地からバーンロムサイに戻ってきても、目の 前にいるタイ人スタッフはやはり黄色・・・。黄色が今年のタイの流行色??いえいえ、巷の流行とはおそらく無縁な農家のおじちゃんやおばちゃんたちでさえ 着ています。実はここタイでは一週間に一日だけ、国民がこぞって黄色いシャツを着る日があるのです。・・・それは毎週月曜日。なぜ月曜日?なぜ黄色?他の 日、他の色じゃだめ?そもそも、なぜ皆で同じ色の服を着る必要がある?法律でもあるの??・・・といろんなハテナが浮かんできそうです。実はこれには、タ イに古くからある信仰が関わっているのです。

その信仰とは「曜日と色の関係」です。タイでは、1週間の各曜日にそれぞれの色があると信じられています。「曜日色(ようびしょく)」とでも呼べばいいの でしょうか。それに基づくと、月曜日が黄で、続いて火曜日がピンク、水曜日が緑、木曜日が橙(だいだい)、金曜日が青、土曜日が紫、日曜日が赤、となって いて、各曜日にその日の色を身に付けると運気が上がると考えられています。日本でも古くからの慣わしとして運気や縁起かつぎに関する言い伝えはあります が、タイの人たちはこういった話に特に敏感です。そのひとつとしてこの「曜日色」があるのです。しかしこれだけだと月曜日と黄色の関係は解明できても、な ぜタイの人たちが特に月曜日だけ曜日の色にこだわるのか、例えば火曜日には皆でピンク色の服を着ないのか、という新たな疑問が出てきます。

タイの人たちが「月曜日と黄色」にこだわる理由はただひとつ、王室への尊敬と信頼です。タイでは街に出れば、道路の中央分離帯やビルの壁面、道に立った看板など、実にさまざまなところで国王の写真を目にしますし(写真1)、 こと、現国王のプミポン国王は国民から広く支持されています。そして2年前の2006年、プミポン国王の即位60周年となったその年、国王の誕生日が月曜 日であることから、その敬愛の意を表すために、毎週月曜日にシンボルカラーである黄色の服を着ることが始まりました。当時僕はバンコクに住んでいたのです が、即位60周年記念の日が近づくにつれ、街の至るところで黄色のポロシャツやTシャツが売られ、一時はどこへ行っても品切れ状態。そして街は黄色を身に つけた人であふれ、電車に乗ってもバスに乗っても黄色、黄色・・・という圧巻の光景でした。2年経った現在も「月曜日に黄色」というスタイルは廃れること はなく、公務員に限っては着用を推奨されているようですし、それに倣ってか公務員以外の市民たちも月曜日は黄色を好んで着ています。特に法律があるわけで はないので、着ていない人ももちろんいますが、それにしてもタイの人たちのプミポン国王への敬愛ぶりは目をみはるものがあります。ちなみに、現王妃のシリ キット王妃の誕生日は金曜日。つい先日の8月12日がその誕生日で(今年は火曜日でしたが)、タイでは「母の日」として国民の休日になっています。こちら チェンマイでも王妃誕生日を祝うべく、王妃様の巨大な肖像画が街中に登場しました(写真2)。

プミポン国王の黄色に合わせて、金曜日のシンボルカラーである青(水色)のポロシャツも販売されていますが、国民への定着度はやはり「月曜日の黄色」にはかなわないようです。
さて、黄色ほどの盛り上がりはなくとも、街には黄色や水色以外にも各曜日の色を取り揃えた「ポロシャツ屋さん」があります(写真3)。 月曜日だけではなく、やはり毎日その日のシンボルカラーを身に付けて運気を上げたい!という人を狙った商売なのでしょうか。皆さんもタイに旅行に来たら、 曜日と色を合わせて服を選んでみてはいかがでしょうか。そして運良く月曜日に滞在することができたら、是非街にあふれる黄色に注目してみて下さい。ちなみ に月曜日に黄色のポロシャツを着たら・・・、すっかりタイの人たちの仲間入りができるはずです!
バーンロムサイ ボランティアスタッフ 小宮 陽之助






