- Vol.14 リス族の村 22008/06/30
今回は、以前このコラムで書かせていただいたリス族の村で撮った写真をご紹介しながら、この村の様子をお伝えしたいと思います。

この写真は食器を洗っているところを撮ったものですが、この村の家の中には、水道はありません。水道は各家の外にあり、そこで皿を洗ったり、洗濯をした り、日が暮れればシャワー代わりの水浴びもしてしまいます。この写真は妻のアサマのお兄さんの家の前の水道で食器を洗っているところですが、食器を洗うの に使っているのは木の葉です。この村でも普通は食器用洗剤とスポンジを使って食器を洗いますが、このときはお兄さんの家にスポンジがありませんでした。す ると、アサマとお姉さんは何の迷いもなく家の前の木から葉っぱを採り、それで食器を洗い始めたのです。泡立ちはいまいちですが、食器を洗うのに何の問題も ありませんでした。葉っぱで食器が洗えるとは、といった感じですが、何よりもスポンジがない時点で二人揃って葉っぱを選んだ時の迷いのなさに驚きでした。

この写真は少しわかりにくくて申し訳ないのですが、左下にソーラーパネルが写っています。この村には電気がないのですが、タイ政府に住所を認められている 家には、タイ政府によって設置されたソーラーパネルがあるのです。このソーラーパネルがある家では、その電気をラジオを聴いたり、タイでは一般的な VCD(ビデオCD)を見たり、夜の蛍光灯に使ったりしています。この村には電話線もないので、村の人達は携帯電話を使っているのですが、その充電にもこ の電気を使っています。アサマのお兄さんの家にはソーラーパネルがないため、携帯電話の充電は隣の家の電気を借りていました。まだタイ政府に住所を認めら れていない家も多いのですが、人口に対して役所で働く人の数がとても少なく、住所の申請をしてもなかなか住所を認定してもらえないのだそうです。

この写真は、お兄さんの家に貼ってあったポスターです。何のポスターかはわかりませんが、絵の上下に書かれている文字がリス語の文字です。リス語はアル ファベットを使って表記されていますが、中には文字が逆さまになっているものもあったりして、当たり前ですが全然読めません。話している言葉は、聞いた感 じではタイ語というよりは中国語の方に雰囲気が似ているような気がします。そして、濁音が多いなという印象がありました。

この写真はリス族の村のお正月の朝に撮ったものです。リス族のお正月は毎年2月頃の中国正月の時期です。お正月の朝は早くから村中で餅をつきます。ただ、 日本のように杵と臼を使ってつくのではなく、写真のような方法で餅をつきます。これはシーソーの先が杵になっているような感じで、反対側を踏むことによ り、ペタンペタンと餅がつけます。ただ、このシーソーの動きはとても速いので、餅の形を整えるのにはかなりの技術というか勇気がいりそうです。ただ、動き が速いだけあって、もち米にゴマを混ぜた餅は思ったよりも速くつきあがっていました。つきあがった餅は隣で待機しているおばさん達によって、小さく丸めら れていきます。おばさんの一人からつきたての餅をいただきましたが、ほんのりとゴマの香りがするほかは、日本の餅と同じでとてもおいしかったです。ちなみ にお正月には、米で作った焼酎のような強いお酒を朝から村中で飲んでいて、この餅の形を整えているおじさんや、餅を丸めるおばさん達も、手が空くとお酒を 飲んでいました。そして、この餅つきを見ている間だけでも「ちょっとだけだから飲みなさい。」とあちこちでお酒を飲まされてしまい、起きて1時間ほどでま た寝る破目になってしまいました。

チェンマイにはリス族のほかにも、カレン族、モン族、ラフ族、ヤオ族、アカ族など、多くの山岳民族が暮らしています。バーンロムサイにも、保父のコムさん がモン族、縫製場で働くドゥアンちゃんがカレン族、アレーがリス族と、山岳民族のスタッフがいます。保父のコムさんに村の話を聞いてみると、多少の違いは ありますが、今回ご紹介したリス族の村と同じような暮らしをしているようです。チェンマイへお越しの機会がありましたら、山岳民族の村を訪ねてみるのもよ いかもしれません。
2008/06/30 バーンロムサイスタッフ 鈴木 寛人






