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バーンロムサイからの便り

Vol.09 リス族の村2007/10/24

はじめまして。バーンロムサイスタッフの鈴木です。

タイにはカレン族、モン族、ラフ族、ヤオ族、アカ族、リス族など、多くの少数民族が暮らしています。こ れらの少数民族は山岳地帯に住んでいることから山岳民族とも呼ばれています。妻のアサマはその山岳民族のリス族です。そこで、今回はリス族の村の話を少し と、結婚の儀式をした時の話をしたいと思います。

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  チェンマイ市内から北へ約200kmのところにピエンルアンという小さな町があります。ミャンマーがすぐそこというこの小さな町までの道のりは、舗装はさ れているものの後半はきつい山道です。アサマの実家は、このピエンルアンからさらにきつい赤土の山道を10kmほど進んだところにあるバーンヒンテオとい うリス族の村です。この村の家は、山から切り出してきた木を柱に竹で編んだ壁、茅葺の屋根でできています。水は山からの湧き水を水道管で各家々に引いてあ るのですが、電気やガスはありません。トイレも各家にはなく、村の中に何ヶ所かある共同のトイレを使います。

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料理は土間で薪を使ってしています。主食は米ですが、山の米はタイ米のように細長い米ではなく、どちらかというと日本米に近い形をしていました。 電気がないので日が落ちると村は真っ暗闇になります。夜になると村の人々はそれぞれ知り合いの家を行き来し、火を囲んで楽しそうにおしゃべりをしています が、けっこう早い時間に寝てしまいます。そして、朝は日の出とともに起きだして畑に出かけていきます。日の出とともに村が動き出し、日が沈むと1日が終わ るといった感じの村です。

 

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結婚式はバーンロムサイで挙げたのですが、その後この村に帰った時にも簡単な儀式をしました。儀式の場所となったのはアサマのお兄さんの家。そのお兄さん の家の土間には祭壇が準備されていたのですが、この祭壇がなんともかわいらしいのです。横にしたブリキの缶とそれより背の高いちょっと傾いた古い木のテー ブルが階段のように並んでおり、そこに2羽の鶏を中心に米や酒、水、線香などが供えられているのです。そして、その米や酒、水はペットボトルのキャップに 入って供えられているのです。このかわいい祭壇を写真に撮りたかったのですが、その時手元にカメラがなく写真が取れなかったのは本当に残念でした。

 

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リス族の村にはモーピーと呼ばれる霊媒師のような方がいて、いろいろな行事や冠婚葬祭を取り仕切ります。この結婚の儀式も村のモーピーが取り仕切ってくれ たのですが、このモーピーがまだ朝だというのにかなりお酒が入っているようで立ち上がるとフラフラです。近所のおばさんから「しっかりしなさい!」とすご い勢いのパンチを背中に受け、ようやくモーピーはゴニョゴニョと祈りの言葉を唱え始めます。祈りの言葉が始まり儀式らしくなってきたなと思っていると、 モーピーはいきなり「ウェーーー」と茶褐色のつばを吐き出しました。この茶褐色のつばのもとは噛みタバコです。タイ人のお年寄りなどもそうですが、この村 の人々も噛みタバコをよく噛んでいるのです。

 

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モーピーは祈りの言葉が終わるまでに何度かこの茶褐色のつばを「ウェーーー」と吐いていました。日本で言えば、べろべろに酔った神社の神主さんがタバコを 吸いながら結婚の儀式をしているといったところでしょうか。ただ、この村ではそれもありといったところがなんともほのぼのとしていていいなと思いました。 その後はモーピーから首に紐を結んでもらって儀式は終了。本当はもっといろいろな儀式があるのでしょうが、今回はこの簡単な儀式で終わりでした。

 

この村には電気もガスもなく、町での生活には欠かせないようなたくさんのものがありません。それでも、とてものどか で、自然に囲まれなんとも穏やかな生活が営まれています。そして、結婚の儀式のように日本人からするとなんともおもしろい出来事がたくさんあります。また 機会があれば、この村の話をしたいと思います。

 

2007/10 鈴木 寛人

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