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可可豆見聞録

Vol. 22 Enjoy!! New York Chocolate -DESIGN編-2007/05/21

 前回に引き続き、今回もニューヨークのお話。

 滞在中のニューヨークは4月にも関わらず本当に夏のよう。普段コーヒー党の私も、さすがにこの暑さではキンキンに冷えたものが欲しくなる。夜なら冷えた バドワイザーで渇いた喉を潤すところですが、さすがに朝からビールは・・・、と言うことでフレッシュジュース&スムージーの専門店に駆け込みました。

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 アメリカでスムージーと言えば「Jamba Juice(ジャンバ・ジュース)」。このお店は1990年にサンフランシスコとロサンゼルスの中間地点にあるサン・ルイス・オビスポ(San Luis Obispo)で誕生し、今や全米に広がる100%ピュアフルーツドリンクのチェーン店。現在ニューヨーク州だけでも17店舗を展開しています。

 

 

 

 

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 とにかく暑いのでお店に入って直ぐにトロピカルフルーツのスムージー(凍らせたフルーツをクラッシュして作るドリンク)を注文。このお店では商品を受け 取るときに名前を呼ばれるので、オーダーのときに自分の名前を言わなくてはいけないのですが・・・、忘れていました!!日本人の名前は難しいので、しばし ば勝手に名前を変えて入力されてしまうことを。

 案の定、いくら待っても自分の名前が一向に呼ばれない。後から注文した人がスムージー片手に私の横を通り過ぎて行く。そしてカウンターにはいつまでも残 された“ジェシー”だか“スージー”のスムージー・・・。そう、私の名前は勝手にアメリカ人の名前になっていたのです。目の前に残されたスムージーが私の ものであろうという予測はついたのですが、自分の名前が呼ばれていない以上、受け取るのは余りに悔しい。ということで「名前呼ばれていません」と申し出た ところ、面倒くさそうな顔をしながらも店員の方が新しいのを作ってくれました。しかもサイズを間違えたようで、ご丁寧にジャンボサイズで。

 先程まで喉の渇きと格闘していたのに、今度は飲みきれないスムージーと格闘。これからチョコレートを食べるのに・・・と思いながらも、結局このビックスムージーを制覇。これが予想通り手ごわい相手だったことは言うまでも有りません。

 

 

  

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 この日、Jamba Juiceの後に回ったチョコレートショップはマンハッタンSOHO地区。

 

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 SOHOとは「South of Houston Street(ヒューストン通りの南)」の略。このあたりは200年の間に街の歴史が次々と変わってきた地域。特にこれからご紹介するチョコレートショップがあるエリアは

 農業地(18世紀後半まで)

居住地(19世紀初頭)

商業地(19世紀半ば)

廃墟地(19世紀後半)

アーティストお忍びの居住地(20世紀半ば)

建築特別保護区(20世紀後半)

アート&ファッション地区(現在)

と、変化の道を辿ってきました。

 

 

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 このあたりの建物は商業地時代に「鋳鉄(ちゅうてつ)建築」という各種デザインに対応しやすい建築方法が採用されており、当時の栄華を映すような壮大な 欧州デザインを取り入れている箇所が多く見られます。そのため20世紀後半にはこの辺りが建築特別保護区に指定され、移り変わりが激しいこの街でその景観 が保たれるようになりました。SOHOはその街並みと足元に広がる石畳が他の街と大きく異なる雰囲気を醸し出しているのですが、それはこういった建築様式 の違いがあるからです。

 

 

 

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 そんな鋳鉄(ちゅうてつ)建築の薫りを感じるの店の一つが「MARIEBELLE NEWYORK(マリベル・ニューヨーク)」(以下マリベル)。創設者のマリベル・リーバーマンさんが2000年の9月にこの地にオープン。上品な青色と チョコレートの茶色を組み合わせたテーマカラーが目印のチョコレートショップです。この青×茶のコーポレートカラーはデザイナーであるリーバーマンさんの ご主人が創り出したものだとか。日本でも数年前からバレンタインシーズンに登場しているチョコレートショップなので、既にご存知の方がいらっしゃるかもし れませんね。

 マリベルのチョコレートの特徴はそのデザイン。チョコレートショップのイメージにはあまり見られなかった青×茶の色使い。この配色が明るさと気品を持ち 合わせた、大人のチョコレートのイメージを見事に表現しています。また色鮮やかなボンボンショコラのポップなデザインや、缶を用いたパッケージBOXな ど、要所でニューヨークデザインの遊び心を盛り込むことも忘れていません。
 ラインナップにはキャラメルやビスキュイショコラなどのコンフィズリーも有りますが主力商品は「チョコレートドリンク」「ボンボンショコラ」「タブレッ ト(板チョコ)」の3種と実にシンプル。しかし商品演出がとても豊かなので、それを忘れさせる愉しさがマリベルの商品たちには見られます。

 

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 SOHOでも閑静な地域にあるお店は、間口は小さく奥に長い作り。鋳鉄(ちゅうてつ)建築の外観同様、店内もヨーロッパのアンティーク調のデザインで、 しっくりと落ち着いた雰囲気と気品あるチョコレート達が同居しています。陽の光が差し込む明るい店内とは対照的に、店内奥のサロン「The Cacao Bar」では、間接照明のやんわりとした光の中で温かなホットチョコレートとくつろぎのひと時を過ごせます。

 The Cacao Barで頂けるホットチョコレートは4種類×2スタイル。この“2スタイル”とは「ヨーロピアンスタイル」と「アメリカンスタイル」のこと。前者はチョコ レートと水で作る濃厚なチョコレートドリンク、後者はチョコレートと牛乳で作る飲み口の軽いチョコレートドリンクを指します。アメリカのチョコレート ショップで「ホットチョコレートの“ヨーロピアン”と“アメリカン”」と区分して提供しているのはとても興味深いですね。

 

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 今回私が試したのはSpicyとAztecのヨーロピアンタイプ(petitサイズ各$5)。前者はシングルオリジンのチョコレート(単一種カカオの チョコレート)63%にメキシコの2種の唐辛子とナツメグ・シナモンを合わせたスパイシーなチョコレート、後者はシングルオリジンのカカオ63%のホット チョコレートになります。

 Spicyはスパイスの香りが心地良く、甘すぎず少し辛味がピリピリと感じられるテイスト。最近では日本でも唐辛子入りのチョコレートは見かけるように なりましたが、こちらは一枚上手の味。メキシコ産唐辛子をブレンドすることで、辛さだけではないカカオとの旨味もしっかり引き出しています。
 ベースとなる63%のシンプルなホットチョコレートはカカオの酸味と渋みが感じられる美味しさ。どちらもヨーロッパのショコラショーに負けていない濃厚さです。

 

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 ちなみにこの他のラインナップはダーク(カカオ73%)とモカ(カカオ63%+アラビカ種のコーヒー)。サイズもMidium($7、ダークの み$7.5)・Grande($8、ダークのみ$8.5)と更にビックサイズも用意されています。しかし、これだけ濃いホットチョコレートにGrande サイズとは・・・。やはりアメリカ人の胃袋は侮れません。

 ギフトチョコレートとして創業当時から支持されているのがボンボンショコラ。それぞれのテイストにカラフルなプリント柄が写されたSOHOらしいアー ティスティックなチョコレートで、スタンダードなテイストからピーナッツバター味などのアメリカらしいラインナップまで、幅広く取り扱っています。

 また、「ピンナップ・ガール・チョコレート・バー」もロングヒットタブレットのひとつ。思わずドキッとするSEXYなピンナップ・カレンダーガールの パッケージに板チョコレートが包まれています。実はこのチョコレート、既にフランスに輸出されていてパリの高級食材店“ラファイエットグルメ”でも昨年か ら販売されています。味は正統派なのですが、ずらりと並ぶフランスの生真面目なタブレットの隣にこのタブレットが置かれている姿が、なんだか少しこっけい に思えて仕方有りません。

 マリベルはこの夏、新たな店のオープンをマンハッタンのミッドタウンに予定しています。創業から7年。じっくりと機を熟しての2号店オープンとなりそうです。

 

 

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 鋳鉄(ちゅうてつ)建築のマリベルとは異なり、SOHOの中でもブロードウェイ近くの賑やかな商業地区にあるのが「VOSGES(ボージュ)」。ここで は独特の感性が詰まった、女性オーナーパティシエのカトリーナ・マーコフさんのチョコレートが頂けます。この方フランス・スペインで修行後、香港・ベトナ ムなどアジア各国で働いた経験の持ち主。各地で出合った様々な素材を大胆にチョコレートと組み合わせているのです。

 最初の1号店は2000年シカゴにオープン。その3年後にここSOHOにお店をオープンしました。日本で話題になり始めたのは2004年の初めの頃だっ たでしょうか。当時「N.Y.の話題のチョコレートショップ」として女性誌などで取り上げられていたことが記憶にあります。当時の記事ではチョコレートだ けでなく、クローズ(Tシャツ、トレンチコートなど)やバッグのサイドアイテムにもスポットライトが当てられていました。

 ボージュの魅力はその世界がインテリア、パッケージ、サイドアイテムの細部にまで行き届いていること。窓際の明るい場所にイートイン用の大きな大理石 テーブルときらびやかなシャンデリアが置かれ、左サイドを紫、右サイドを白の壁が店内を包み込んでいます。これだけならクールな印象の店で終わるのです が、更に床と中央に鎮座する柱に木材を使用しているためその印象だけに留まらず、やさしく温かい雰囲気も感じられます。
 自分のためにもう1つ、あるいはお友達へチョコレートをプレゼントしたくなったりと、この店は私達をそんな気分にさせてくれます。

 

 

 

 

 

 

 

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 トリュフや板チョコに様々な香辛料を用いるボージュ。オリエンタル・エキゾチックな素材とチョコレートとのコラボレーションの独創性には驚かされます。
 例えば、こんな組み合わせがボージュの定番。

◆エキゾチック・トリュフ

ナガ
 カレー粉+ココナッツ+ミルクチョコ
ブラックピール
 生姜+わさび+黒ごま+ビターチョコ
ブダペスト
 スイートハンガリーパプリカ+ビターチョコ

 

◆エキゾチック・キャンディー・バー

ゴジ
 クコの実+ヒマラヤ紅塩+ミルクチョコレート
カリンディア
 インディアンカルダモン+乾燥プラム+
 カリフォルニアクルミ+ベネズエラビターチョコ
ドリヴァ
 乾燥カラマタオリーブ+ベネズエラホワイトチョコレート

 またこれらチョコレートのギフトセットがとてもキュート。例えばタブレット(キャンディー・バー)は書籍の4分冊セットのように、4つのタブレットを選んで専用ケースに入れることが出来ます($31)。気取り過ぎない格好良さがちょっとした贈り物に受けているようです。

 

 

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 イートインでオススメしたいのは、クチュールココア(ホット or コールド)。スタンダードなカップで提供されるホットチョコレートとは異なり、こちらのお店では細長いグラスでサーブされます。窓際の明かりを感じながら 頂くホットチョコレート。テイストはあっさりタイプでしつこい甘さも無く、カカオと程好いスパイス・ハーブの香りが頂けます。
 シンプルなマダガスカルバニラとビターチョコの「ラ・パリジエンヌ」の他、ホワイトチョコにオーストラリア産レモンマートルとラベンダーを添えた「ビア ンカ」、ビターチョコに2種の唐辛子とセイロンシナモン、コーンミール、バニラを添えた「アステカ・エリクシール」の3種類。それぞれ美味しそうな写真で 包まれた、お持ち帰り用パック(写真下)も好評だとか。

 

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 その他キャラメルを使用したマシュマロ、トフィー、ボンボンショコラも充実。アメリカらしいポップでカジュアルなテイストとシズル感たっぷりのパッケー ジが印象的です。日本でもキャラメルは女性が思わず惹かれてしまうフレーバーの一つですが、やっぱりアメリカでも同様なのでしょう。あの甘さとトロリとし た食感。女性を魅了する永遠の組み合わせ“キャラメル&チョコレート”は、ここボージュでも主力フレーバーの1つとして君臨しています。

 チョコレートのブラウニー、クッキー、アイスクリームなど普段使いのスイーツから、チョコレートとワイン、オリーブオイルなどを組み合わせたワンランク アップの各種ギフトセットまで幅広く対応しているボージュ。演出はさりげなくクールに、なのに実は女心をくすぐるようなチョコレートスイーツが満載の ギャップは女性シェフならでは。

 独創性とこだわりの随所にアクセントを散りばめたボージュ。本格派を目指したテイストとは一線を画す味作りですが、ここならではのこんなチョコレートもいかがでしょう。

 

 

  

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 この他、SOHOの隣に有るトライベッカ地区ではチョコレートをカカオの焙煎から手がける有名店「(ジャックトレス)」の2号店が有ります。ご紹介した ショップから徒歩圏内にありますのでお散歩がてら立ち寄ることも可能。こちらのお店はブティックの両脇にガラス張りのチョコレート工房を備え、カカオ豆の 加工からのチョコレート作りが見られる、大変珍しい店舗設計になっています。

 ニューヨークのチョコレートと言えば、先述の2件より先に名前が出て来るほど、名の知れたチョコレートショップ。2号店はパレスホテルのデザイナーがイ ンテリアを手がけていて、天井の高い広々とした豪華なブティックの中でゆったりとチョコレートを楽しむことが出来ます。ちなみにこちらのお店は、店名にも なっているジャックトレス氏と日本人を含む3名の共同経営であることでも有名なお店です。

 3軒ハシゴすればお腹もお土産チョコも一杯になること間違いなし。マンハッタンへ行ったら、街並みやアートを鑑賞しながら、SOHO&トライベッカのチョコレートにどっぷりと漬かってみては?

 

 

 

* Jamba Juice http://www.jambajuice.com/
* MARIEBELLE NEW YORK http://www.mariebelle.com/index.cfm
* VOSGES HAUT CHOCOLATE http://www.vosgeschocolate.com/
* JACQUES TORRES CHOCOLATE http://www.mrchocolate.com/default.aspx

 

2007/05/21

 
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