- Vol. 18 Salon du Chocolat Paris 2006 とオーガニック2007/01/15
新しい年が始まりました。今年は暖冬と言われていますが、そうは言ってもカカオにとって日本の冬は厳しいもの。我が家ではカカオ栽培にチャレンジしてい ますが、まだ若いので暖房を止めるとカカオの生長が芳しくなく、寒さが長引くと葉が枯れ始めてきます。暖房を付けながら、カカオの越冬を見守る毎日。春の 訪れが待ち遠しい限りです。

さて1月と言えば、毎年恒例のサロン・ド・ショコラ・トウキョウが新宿伊勢丹で開催されます。今年は24日から29日までの6日間。このコラムがWEBにUPされる頃には、既に始まっているかも知れませんね。
年々国際的になっていくサロン・ド・ショコラ。お馴染みのパリ・ニューヨーク・東京の他に京都・小倉の日本国内、北京やモスクワといった新たな国際都市でも開催、2008年には上海も予定されています。ショコラ熱の加速は日本だけではないようです。
さて今回は、そんなサロンの本場 サロン・ド・ショコラ・パリ2006についてお届けいたします。■ ■ ■今年もやっぱり会場前にはショコラファンの長打の列。そして会場内も人・人・人と、12回目のサロン・ド・ショコラも大盛況の5日間でした。雨が降って も傘をさして並んで入場待ち。土日・祝日と重なっていたためファミリーで来ている人も多く、あちこちにショコラを手にする子供たちの姿が見られました。
実際に中で働いていると体感的に昨年以上の混雑に感じられ、ゆっくり休憩を取る時間も無いほど。後で聞いたところ、来場者数は13万人だったとか。なるほど、最後にはお手伝いしていたスタンドから販売する商品が無くなったのもこれで納得です。

さて、ここからはサロン・ド・ショコラダイジェストを写真と一緒にご紹介いたします。
ただ今年は慌しく、カメラマンも依頼していなかったので、ショコラドレスのファッションショー写真をとることが出来ませんでした。皆さんにあのゴージャスなショーをお届け出来ないことがとても残念でなりません...

■ ■ ■今年はパッケージのデザイン性に溢れたものも目に付きました。ショコラのパッケージというとこちらでは比較的シックな色をモチーフにしたものが中心だっ たように感じますが、このところポップな色使いのパッケージも増えているようです。老舗の「マルキーズ・ドゥ・セヴィニエ」の青×茶の色使い、パリで複数 の店舗を持つ「ジェフ・ドゥ・ブルージュ」の水色×茶の色使いなども印象的。

色使いの明るいパッケージといえば、セバスチャン・ゴダール氏の「デリカバー」、巨匠ピエール・エルメ氏のタブレット各種、プラリュー氏のカラフルな 「熱帯のピラミッド」などが挙げられます。また、パリのラファイエットグルメに足を運ぶと、ニューヨーク「マルベリニューヨーク」が手がけた驚きデザイン のタブレットなども見られるようになりました。もしかすると、そんな商品たちもパッケージ市場の刺激に一役買っているのかもしれませんね。

今回サロン・ド・ショコラ・パリで発売されたプラリュー氏の新商品は、クールカラー主体のグラデーションパッケージ。マダガスカル産カカオをベースとし たビターチョコレートやミルクチョコレートにオレンジ、シナモン、バニラ、アニスや生姜などをそれぞれ加えたタブレット。伊勢丹新宿のサロン・ド・ショコ ラでも販売されるようなので、クールフェミニンな色使いに多くの女性ファンが殺到するかもしれませんね。
ちなみに私は、この中の一つ「ショコラオレ×カネル(ミルクチョコ×シナモン)」に、冷やした小田原名産「梅ワイン」を合わせるのがお気に入りです。■ ■ ■ここでちょっと脱線したお話を一つ。
私が始めてフランスを一人旅したのは2002年のこと。それから毎年サロン・ド・ショコラなどでパリを訪れる度に、幾つかの固定した食料品店などの市場 調査をしてきました。パリに在住していれば頻繁に調査が出来ることなのですが、残念ながら私は日本在住。フランスを訪れるのも年1~2回程度ですので、足 を運んだときに定点観測を行い、商品同行を目で見て感じ取ることを心がけるようにしています。時々はパリ在住の友人に頼んで、商品ラインナップのチェック をしてもらったり。

そんな観測を行なっている中でここ最近気になっているのは、オーガニックチョコレートを良く見かけること。それも最近は増えているように感じます。
サロン・ド・ショコラでも以前は「KAOKA(カオカ)」が、2006年は「CEMOI(セモア)」が出店してオーガニックチョコレートを販売していました。フェアトレードで出店していた「ETHIQUABLE(エティクァブル)」のチョコレートも、ドミニカ共和国産のオーガニックカカオを多く使用して作られています。オーガニックのチョコレートって?と思う方もいらっしゃるかも知れませんね。チョコレートの原料となるカカオはデリケートな性質を持つフルーツですか ら、虫害被害や病気にかかることが多々有ります。それらから守るために農薬を使用することも有るのです。良く考えるとカカオの栽培地域は高温多湿。天敵が まわりに沢山いるのも当然です。
そういった農薬や、成長を促す肥料を一切利用しないで作ったカカオ豆と、合わせて同様に作られた砂糖などで構成されているチョコレートがオーガニック チョコレート。オーガニックと認定されるにはその使用の有無の他に、苗を植える前の数年間も同様に土地を自然に回帰させることが必要とされます。
「オーガニックチョコレートの風味は鮮麗さに欠けている」。以前はこういった声が良く聞かれていて、私自身もしばらくそのイメージを持っていました。
でも、それも今は昔のこと。カカオの個性に対する認識が広く浸透し、カカオの栽培精度向上や指導の浸透、レシピへの研究技術が上がってきている昨今で は、“オーガニックのチョコレート=鮮麗さに欠ける”という方程式は必ずしも成立しないようです。むしろその味を生かした美味しいものも沢山見られます。例を挙げればVALRHONA社が新しく始めたオーガニックチョコレート「カオグランデ・ノワール」には、果実を思わせる芳醇な香りと、程よいコクが感じられます。富澤商店のオンラインショップで購入できるKAOKA社のチョコレートも然り。封を開けた瞬間に感じられる華やかな香りは逸品です。オーガニックカカオの個性を最大限に生かしつつ、鮮麗された美味しさをきちんと感じることが出来るチョコレート作りに、どうやら各社が着手し始めたようです。

消費者のオーガニック意識も高いヨーロッパ。結果的に産業の成長も順調に推移しているようです。フランス国立オーガニック農業調査所によれば、2005 年フランス国内のオーガニック畜産や植物は前年と比較して全体的に伸びており、それらを加工する加工場も前年比で2.5%増加しているとの報告も上がって おります。そういった背景から、オーガニックマークの付いた商品などが市場で充実して参りました。
それに合わせてオーガニックチョコレートの需要も高まっているのでしょうね。前述のように、殆どの食料品店やチェーンスーパーにはオーガニックの板チョコレートが陳列されています。「オーガニック」という言葉にもすっかり慣れた日本。でもその定義の認知や浸透はまだまだ低く、ましてチョコレートの世界への消費者の到達には当分の時 間がかかると思われますが、生産者まで遡り手間隙かけて作られたものの中には、他に代えられない価値も含まれていると思います。たまにはそんなチョコレー トを味わってみるのも良いですよね。
日本でオーガニックチョコレートをカカオ豆の焙煎から生産しているところはまだ有りませんが、原料のカカオマスを輸入してチョコレートに仕立てたり、あ るいは商品そのものを輸入されているところは有ります。オーガニックチョコレートがちょっと気になった方は、富澤オンラインショップをクリックしてKAOKAのページを覗いてみて下さい。
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そういえば、パリのサロン・ド・ショコラではモデルさん達がショコラドレスに着替える部屋に初めて潜入いたしました。ドキドキしながら眺める光景は、も う“凄い”の一言。迫力のボディーと、スレンダーな御み足、バッチリのメイクは一味、二味違います。ショコラドレスを身に纏った、圧巻の美人揃い。少しは 見習って「美」も心掛けなくては。

* Salon du Chocolat http://www.salonduchocolat.fr/2007/01/15






